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映画「말모이」(マルモイ)

 1月にソウルで韓国映画「말모이」(マルモイ)を見ました。日本の植民地時代の1940年代、朝鮮語が禁じられた朝鮮で辞典作りに命をかける言語学者や彼らを助ける庶民の姿を描き、韓国では250万人を動員するスマッシュヒットを記録。ケサン目当てで見ました良かった。ユン
 

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 【あらすじ】1940年代、朝鮮語がだんだんと失われていく京城。息子の学費のためにかばんを盗もうとしたパンス(ユ・ヘジン)。かばんの持ち主ジョンファン(ユン・ゲサン)に捕まりカバンを返すことに。
 ある日、知り合いから紹介され、朝鮮語学会の面接に行く。そこにはカバンの持ち主のジョンファンがいた。ジョンファンたちは当局の目を盗み、朝鮮語の辞典を完成させようと、マルモイ(言葉集め)を続けていた。ジョンファンは当初、ハングルが読めないパンスに反感を覚えるが、パンスを迎え入れる会員たちに押され、ジョンファンはハングルの習得を条件に彼を受け入れる。 
  最初はハングルにも辞典作りにも関心がなかったパンスだったが、生まれて初めて文字が読めるようになり,朝鮮語、自国の言葉の大切さに目覚める。ジョンファンたちは、パンスの力を借りて全国の方言を集める「マルモイ」を進める。しかし、辞典作りを阻止しようとする日本の監視と圧迫は日増しに強くなり、ジョンファンたちは徐々に追い詰められていく。

  映画は、実話をベースにしているとはいえ、フィクションの部分が多く、韓国では「史実に忠実だったらもっとよかった」という意見もあるそうですが、それでも言葉を守ろうとする姿、権力者に対抗しようとする庶民の姿は胸に迫ります。
  あれっ、この感じどこかで見たことが、と思ったら、メガホンを取ったオム・ユナ監督は「タクシー運転手」の脚本を手がけた方でした。マルモイは初監督作品ですが、タクシー運転手で見せた歴史と庶民のかかわりという描き方はうまいと思いました。

  日本の植民地時代に朝鮮語が禁止されたというのは、言葉がそれだけ重要だという証左だと思います。劇中でジョンファンが「言葉は民族の精神だ」と訴えるのも分かります。ジョンファンたちのように命懸けで自国の言葉を守り、辞典を完成させるべく奮闘した朝鮮の人たちの努力がなかったら、今ごろ韓国語という言語はなくなっていたかもしれません。
  映画やドラマを通じて韓国語を勉強するようになり、韓国語を通して少なからず韓国という国や文化、考え方を知るようになったと思うと、言葉の大切さを実感しています。韓国語だけでなくほかの国の言葉を尊重する気持ちを大事にしたいと思いました。  
  また、映画には日本に対抗する人はもちろん、「朝鮮が独立できるのか」と日帝統治を受け入れる知識人の姿も描かれ、当時の複雑な心情も垣間見ることができます。
  早く日本で公開されることを期待しています。


by fwik0767 | 2019-02-17 11:46 | 映画


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